HANNIBAL シーズン1 Ep.6感想

ハンニバルを少しずつ鑑賞中です。現在シーズン1 Ep.7まで堪能済み!

今回からエピソードごとにネタバレ全開の詳細な感想を書いていくつもりなのでご注意下さい。

(※本当に良くできたドラマなので、最初はネタバレなしの視聴をオススメします。Ep.1〜5までの感想は、また後日書く予定です)

6.「Entree」

模範的な受刑者だったギデオンという男が、看護婦を惨殺する事件が発生。

その手口はかつて起こった未解決事件「チェサピークの切り裂き魔」の手口にそっくりだ。

ギデオンが切り裂き魔事件の真犯人だったのだろうか?

それとも、嘘をついて自称しているのだろうか?

 

それを分析するため、呼び出されるウィル。再び犯人の心理になりきり分析します。

(この看護婦惨殺シーンの見立て、個人的に今までのハンニバルで一番キツいグロ描写だった…)

 

ウィルの見立てでは、「ギデオンは切り裂き魔じゃないだろう」。

反対に、ギデオンの収容されている精神病院の医院長チルトン(羊たちの沈黙にも出てくる人物)は、「彼こそが切り裂き魔だ!」と言い張る。

ウィルの上司でありFBI行動科学科のトップのジャック・クロフォードは、この事件にやけに固執し、解決を急いています。

 

そしてジャック回想を中心に明かされる「チェサピークの切り裂き魔」による残忍で恐ろしい事件の数々。

実は、二年前にジャックがその腕を見込んで捜査協力を要請したFBI研修生の女性ミリアムが、捜査の途中で行方不明となり死亡したものとされているのだ。優秀で意欲ある若い女性だった。しかも遺体はまだ見つかっていない。

そのことから、「チェサピークの切り裂き魔事件」はジャックの心に深い傷を残している。

 

今度こそはと切り裂き魔逮捕に燃えるジャックは、ウィルの見立てで「ニセモノ」疑惑の強まったギデオンを「真犯人だ」を大々的に報道することで、ある種の美学をもって犯行に及んでいる本物の切り裂き魔を怒らせ、正体を暴こうとする。

 

その報道には誰を使うか?

 

もちろん、1~3話でウザウザっぷりを発揮してきた記者フレディ・ラウンズちゃんですよっと。

 

ほんっとピクサーのメリダっぽくてカワイイのに!

今回のファッションも超ハイセンス!胸元に透け感のあるシャツ+グリーンジャケット、いいね!!

 

でもウザイ!きっとラウンズもサイコパス(サイコパスの特徴にだいぶ当てはまってます)。

 

 

 

そして今回は協力し、独占記事を書くラウンズ。

 

その記事は、レクター博士の目にもとまります。

記事「ギデオンの隠された本性こそが、チェサピークの切り裂き魔なのだ――」

レクター「……」

キッ!

…………えっ!!??!???!?

 

お…おこですか博士!?!?おこっ…怒ってる!?えっっちょ……嘘でしょ博士、まさかチェサピークの切り裂き魔って博士なんですか!!??!??

 

い、いやああ……考えてもみなかった…普通に別のサイコパスの仕業だと思ってたらまさか博士だったとは。

確かに「頭がいい」「わざと残虐にしているが美学がある」「臓器をとる」って博士の要素ですわ~…臓器は博士が美味しくいただいていたんですね、わかりました。

 

ジャックの目論見どおり、どうやら怒ったらしい切り裂き魔は動きを見せ始める。

ジャックの携帯電話に、謎の発信者から何度もかかってくるのだ――。

 

「助けて、ジャック。暗くてここがどこだかわからないの…!私は大変な間違いを犯しました…っ……こんなふうに死にたくない…っ!!」

 

そう、その声は二年前に行方不明となったFBI研修生ミリアムのもの。

おそらく犯人が録音した、恐怖に怯える彼女の声である。

犯人を追い詰めるはずが、逆にどんどん追いつめられるジャック。

 

一度だけ、発信源が突き止められる電話があった。

ウィルを連れ、発信源へと向かうジャック。その場でジャックから相手へとかけてみると、人のいない展望台の中から着信音が響く……。

見つかったのは、ケータイを握る、切断されたミリアムの腕だった。

 

「彼女が生きているかもしれないと、わずかだが希望を抱きそうになっていた」

暗い面持ちで呟くジャック。彼女はやはり殺されていた。

今までの捜査は、全て切り裂き魔の手の内――すなわちレクター博士の手の内で踊らされていたのだ。

 

さすがは博士といったところか、ジャックを相手に勝負をし、完全な勝利を掴みましたね。

 

 

そこで挿入される、二年前の出来事。

切り裂き魔の被害者がレクター博士のかつての患者だったため、ミリアムは捜査のために博士のもとを訪れていたのだ。

ミリアム逃げて逃げてええええええ!!!!カンカンカン(警報)

って叫びたくなるシーンですが、やっぱり博士の殺しの手口、鮮やかで耽美すぎた!!

ミリアムが「博士=切り裂き魔」の証拠を見つけてしまったときすら、駆け寄って殴り倒したりなんて荒っぽいことはしない。

颯爽と歩み寄り…

まるでミリアムに対して愛情の一片を傾けるかのような、穏やかな表情で首を絞めます。

 

(1話のウィルの分析で「博士=サディスト」ととれる発言がありましたが、それはウィルやアビゲイルなど興味を抱く人物に対してのみ「プレゼント」を送るのが好きなのでしょう。ミリアムに対しての場合は愛情というより「よく私の元まで辿り着いたね。仕方のない子だ」という感じかな?と思います。ミリアムを見下してはおらず、認めているはず。「悪い子だ」と博士のささやきが聞こえてきそうです)

 

録音の音声からして、このとき一度気絶させてから別の場所に監禁し、殺したと思われます。

 

 

 ここからは次のEP7「Sorbet」でわかることですが、

 

ミリアムの遺体だけ見つからないのは、(ウィルの切り裂き魔に対する分析から

・犯人は自分に対して無礼を働いた人間に恥をかかせ晒す目的で、遺体を串刺しにして放置した

・ミリアムは自分の元へ辿り着いた「認めるに値する人間」だったため、晒さなかった

というわけだ。

 

二年後になってミリアムの腕だけ見つけさせたのは、「ミリアムを晒すため」ではなく、「ジャックをあざ笑い、挑戦するため」ということですね。

 

Ep.6で博士の隠されていた面が徐々に現れてきてたような気がします。

そういえば、博士が殺しをするシーンがはっきりと写されたのはこれが初めてなきがするし…。

博士やウィルだけでなく、ジャックの抱える闇にも焦点が当てられてきていることで、広がりや深みを見せてきたドラマに感心するばかりです。